20200529

1ヶ月半に渡る自粛生活を経て、嬉々として保育園に戻っていった娘。私も仕事が始まった。生活のリズムを崩さないようにだけ、注意した日々だった。どんな格好で、何をしてもいいが、Netflixを観る時間の厳守(13時〜15時)と、ひらがなの練習を彼女のタスクにさせた。「今日はやりたくない」「おやつを食べたらやる」という言葉を受け流し、午前10時から約1時間、ひらがなの時間とした。

そもそも、ひらがなを練習始めたのは、ポケモン図鑑を買ってほしいと言われたからだ。ひらがなを知らない彼女の代わりに、809匹のポケモンの名前や性質を読むのは、私になる、絶対に嫌だった。
「ひらがなが読めるようになったら、ポケモン図鑑を買おう」と言って、ひらがなの練習を始めたのだった。

最初は、文字の練習というよりは、絵を模写するように、説明文に付随するイメージごと練習していて、面白かった。「ふうせんさんを起さないようにね」というイラストと、「ゴール」を模写しまくっていた。

そこから、「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」「おしりたんてい」「ちびまる子ちゃん」と毎日異なるキャラクターになって、娘は、例えばクレヨンしんちゃんになりきって、私が、風間くん、ネネちゃん、まさおくん、ボーちゃん、ひまわり、みさえ、ひろしの8役やりながら、「え!しんちゃん、もうひらがなできるの?」「くぅ〜〜、しんのすけに、ひらがなの練習、先を越されたあ」「しんちゃん、ねねって書いてみてよ」「し ん ちゃ ん す ご い」のように、役柄に応じた声かけをして、ひらがなをひたすら書く読むを繰り返していった。(娘は、しんちゃんのマネが誠にうまい)

反復の中で、彼女の記憶のシナプスが繋がってゆく瞬間もなんども見た。彼女の得意の文字、苦手な文字も、なんとなくわかった。複雑そうに感じる「せ」「ふ」「ゆ」「わ」が得意。単純そうに見える「い」「く」「と」「へ」が記憶に定着しない。「く」を毎日間違えるので、絶対ダメだとわかっていつつ、私もイライラしてしまった。「かんたん、カンタン!」って言うなら、パッと書いてよ。って言いたいのをぐっと飲み込みつつ(時に言ってた笑)、文字をデザイン的というか、視覚的な情報で文字を理解している彼女にとっては、「い」「く」「と」「へ」は見たらすぐに思い出せているあたり、簡単すぎて、形的に魅力がないってところだろうか。とうっすら思っている。今、書いていて思ったけど、初めて吸収することに対して、「簡単」も「難しい」も、ないよな。初めてのことで、彼女の体を通して、学んでいくことなのに、私の価値観で「く」は簡単だなんて、思って、ごめん。

コツコツと続けてきた1ヶ月半に渡るひらがな練習、昨日娘が、絵本を朗読してくれた。家にある、なんども読み聞かせてきた絵本だから、娘は絵からストーリーをひっぱってきてほぼ暗唱みたいになっているのだけど、

「ひ」「と」「つ」「き」よめる!よめる〜〜。って感じで読んでくれた。すごいよね、ただのフニャフニャした線が、意味のある配置で、言葉を生んでくれること。自粛生活ラストデイ、彼女の朗読で幕を下ろしました。

さて、ポケモン図鑑、用意しておこうかな。ポケモン図鑑、どうかカタカナにルビが振ってありますように!